イタリア 歴史 美術館・博物館

ヴェネチア共和国の政治の中心【ドゥカーレ宮殿:前篇】

2019年5月20日

( ゜▽゜)/こんにちは!マリ姐です。

いや~今日衝撃的なことがありましたよ。現在進行形なので、結果がでたらまた報告致します。久々に頭が真っ白になりました。。

さて、ヴェネチアの続きです!

半日ツアーに参加しました!

ヴェネチアに着いた翌日、鐘楼にのぼって個人行動を楽しんだ後は、゜:*★イタリアのオプショナルツアー予約VELTRA★*:°のツアーに参加。

歴史を知ってると面白さが全然違うので、サン・マルコ寺院ドゥカーレ宮殿の見学にはガイドが必要だと考えていました。ツアーだと行列とは無縁。そして、ヴェネチアといえばゴンドラ!ですが、個人で値段交渉はハードルが高過ぎると思ったので、全部お願いできるこのツアーをチョイスしました。

言葉通じないとぼられるって聞くしね。
お願いした方がいいニャ

サンマルコ寺院&ドゥカーレ宮殿入場+ゴンドラ遊覧<日本語> by [みゅう]

ガイドさんとの待ち合わせ場所はサン・マルコ広場とシャネルを繋ぐ通路の所にありました。Google Mapじゃでてこないけど、シャネルで探せばわかると思います。

ガイドさんは日本語ペラペラなヴェネチア出身の女性でした。ユーモアがあって、しっかりガイドしてくれたので頼んでよかったと思います。

早速、徒歩でドゥカーレ宮殿へ。寺院と宮殿、どちらを先に見学するかはその日によって違うようです。ここからはガイドで知った情報と個人的に調べた情報を織り交ぜながらレポしていきます!

ドゥカーレ宮殿はヴェネチア共和国の総督邸であり立法、行政、司法が行われた場所。9世紀に建てられ、14-16世紀に現在の形になりました。私は前日にここに来た時、外観をじっくり見学しました。というのも、柱1本1本の装飾が違っていて、面白いのです!

人の顔が全部違う!

それぞれ職業を表すものを持っている?

本当に細かく作りこまれているわね!
凝ってるニャ~!

宮殿としてみるとパッと見の外観は意外と地味に感じられるのですが、実は芸術で覆われていて、1つ1つが丁寧な仕事がされているのがわかります。写真に全部おさめるのは諦めましたが、他にもたくさんあるので、是非現地でよく見てほしいです。

 

聖マルコと獅子紋章

宮殿の前にはヴェネチアの紋章である聖マルコ(有翼の獅子)

なんで聖マルコは獅子なの?実際は人なんじゃないの?
新約聖書のヨハネの黙示録に「聖マルコは翼をもったライオン」という記載があるらしいニャ

キリスト教が迫害を受けていた時代に書かれたヨハネの黙示録は、関係者しかわからない表現を使っていたのです。隠語ってやつですね。獅子の形状は4パターンあるらしく、その違いを見つけるのも楽しいかもしれません。

意識して探すといっぱい見つかります。

ポルタ・デラ・カルタ(布告門)には彫刻家パルトロメオ・ポン作(1438~42)による有翼の獅子と元首フランチェスコ・フォスカリの彫像。

この獅子紋章はヴェネチアの至る所で見られますが、ナポレオンに侵略されていた頃は、片っ端から壊されました。今あるのは復元されたものが多いんだそうです。フランスはヴェネチア共和国に恨みがあるはずなので、それが聖マルコ潰しに現れているのかもしれません。。


 

キラッキラの内装

中に入ると、これでもか!!というゴージャスな内装が続きます。キラッキラだし、壁も天井も絵画だらけし、どこを見ていいかわからない。まずは元老院の間

ドゥカーレ宮殿は9世紀に建てられてから何回か火事にあっています。日々、火事を恐れていた為、なるべく火を使ってはいけないということで、ここで働いていた人たちは仕事を明るいうちにやり、暗くなったら帰っていたんだそうです。

なんて羨ましい話なの・・・。
暗くなったらお家に帰りたいニャ!!!

時間が決まってた方が効率よく仕事すると思うんですよね。残業がえらいっていう日本の悪しき慣習はもう時代遅れだと思います。と、せっかく旅行に来ていたのに、ここで仕事のこと思い出しちゃったよ~(^_^;)

 

ヴェネチアの共和制

続いて、十人委員会の間

天井画撮り忘れた。。

天井にはヴェロネーゼの描いた楕円形の絵画があるのですが、ナポレオンに奪われて現在、本物はルーヴル美術館に。ここにあるのはコピーだそう。

ヴェネチア共和国で参政権があるのは25歳以上の男性貴族のみ。その代表議会の中から選ばれた200人が元老院で、外交問題を担当していました。さらに選ばれた四十人委員会が財政問題を担当。

元老院の中からさらに選ばれた者で形成されたのが十人委員会。当初は緊急性のある議題を速やかに対処する為の委員会でしたが、だんだんと国家機密をも扱うようになり、権力を持ち始めます。そして、常設機関とすることが大評議会で可決され、十人委員会が政治を動かすようになるのです。

ヴェネチアは共和制であり、一個人、一家族に権力が集中するのを避けていました。議員の中から選ばれた元首・総督(ドージェ)は議員のトップですが後継者の指名はできず、選挙の方法はとても複雑です。wiki読んだら頭がこんがらがりましたwそして、元首1人だけでの決定権はありませんでした。

独裁政治にならないようにしていたのね。
トップに立つ人によっては悲惨なことになるからニャ

冒頭、像になっていたフランチェスコ・フォスカリは全盛期の元首ですが、息子が贈収賄と汚職でヴェネチアを追い出され、その後フランチェスコは十人委員会の決定により、辞職させられています。現役元首だからって容赦ないね、十人委員会。

 

隅々まで芸術で溢れている。

いつまでも絵画が続く。そして、その周りも彫刻で囲まれています。

謁見の間

ティツィアーノ作
『祈りを捧げるグリマーニ総督』

私はティツィアーノのタッチもけっこう好きなのです。女性と天使が丸くて可愛らしいので。

基準はいつもそこかっ!
おじさん達はおまけニャ

 

4つの扉の間

パオロ・ヴェロネーゼ作
『レパントの海戦の勝利を感謝するヴェニエル総督』

セバスティアーノ・ヴェニエルはレパントの海戦の後、81歳でドージェに選出されました。彼の姪(ヌール・バヌ)はセリム2世の側室となって、後のムラト3世を産むのだそう。

セリム2世!スレイマン1世ヒュッレムの息子ね。漫画にでてきたわ。
セリム2世は酒に溺れ、ムラト3世は女性に溺れてたらしいニャ

偉大な王の跡継ぎって大体放蕩息子が多いですよね~(^_^;)『夢の雫、黄金の鳥籠』でセリム2世はまだ子供です。可愛らしいけど気が弱くて、この子が将来残念なことになるのか・・・と思いながら読んでます。どこまで描かれるかな?


 

大評議会の間

柱がない!

ここに参政権を持つ1200-2000人が集まって評議会を行うことができたそうです。壁の一番上にはドージェの肖像画が並んでいます。

ティントレット作『天国』

1577年、ドゥカーレ宮殿は火事に見舞われ、もともとここに描かれていたフレスコ画が損傷してしまいました。その後、ティントレットがこの絵を書いています。

中央よりちょっと左に獅子と向かい合ってる男性がいるのがわかる?
それが聖マルコニャ!

今回掲載している絵画は加工して明るく見せていますが、実際はけっこう暗めなんです。ヴェネチアは政府の援助金を洪水対策に使っているので、美術品の修復にまでお金がまわせないらしい。そして、洪水対策の堤防も完成していないらしい。イタリアらしいですね!w

最高の景色

というわけで、宮殿が濃すぎて、1回で終わらすの無理です。。次回へ続く!

次回はドゥカーレ宮殿の牢獄ね!
重苦しい空気で(笑)お届けするニャ!

以上、マリ姐でした!

↓ポチっとしていただけるとうれしいです♪

-イタリア, 歴史, 美術館・博物館

© 2024 マリ姐は旅をする