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スウェーデン最盛期の帆船はなぜ沈んだのか。【ヴァーサ号博物館】

( ゜▽゜)/こんにちは!マリ姐です。

さて、今回は私のストックホルム観光の目玉、ヴァーサ号博物館のレポです!

ヴァーサ号博物館とは。

スウェーデン王グフタフ2世の命によって建造された戦列艦、ヴァーサ号。処女航海で沈没し、それから333年後にサルベージ(引き揚げ)され、現在は専用博物館で展示されています。

ズバリ「ヴァーサ号を愛でる為の博物館」です。スウェーデン一番人気の博物館でしょう。

ストックホルムパス利用可能

開館後、外に列があったとしても、チケット購入の列だったりするので、パスを持っているなら並ばずに建物に入ってみて下さい。パスを見せたらすぐに入れてくれました。

館内の看板には一部日本語訳があり、パンフレットも日本語版があります。

今回は、ヴァーサ号博物館を訪れるにあたり、知っておくとより楽しめる歴史話を織り交ぜてレポしたいと思います!

 

沈没したのはどこ?

まずは、ヴァーサ号が建造されてから展示されるまでの道のりを現在の地図で見てみましょう。

現在の国立美術館付近で建造され、私が宿泊したホテルの近くから出航したんですね。

1628年、波が穏やかな日に初航海しましたが、軽い横風によって横転し、出発から1300メートル進んだあたりで沈没しました。

1300メートル?みじかっ(^▽^;)
出航してすぐニャ・・・w

沈没地点は地上から150メートル地点。引き揚げ後は博物館から600メートルの位置に保管されていたといいますし、この船は建造されてからほとんど移動してないことになります。

船としてどうなんだ。。

 

戦列艦の迫力!

博物館に入ったら、その迫力に圧倒されます!!(明るく加工してある写真あり)

おお~!!(゚O゚)大きい!!
思った以上に巨大だニャ!!Σ(゚Д゚)

全長69メートル。最大幅11.5メートル。

世界一周を成し遂げたドレイクの帆船なんてめっちゃ小さかったですけど、それの一体何倍なんだろう?想像以上に大きくて、驚きました。沈没地点にフナクイムシが生息していなかった為、98%元のままなんだそうです。

フナクイムシとは

虫ではなく、フナクイムシ科の二枚貝の総称。海中の木材を食べて穴をあけ、巣穴にする。

この博物館の素晴らしいところは、2階から6階まであって(1階は?w)、いろんな角度から船を観察できるところ。この船を見る為に作られた博物館!って感じです。

4階が出入り口で、ほとんどの人がここで船と一緒に写真を撮ります。他の階には団体客があまり来なかったように感じました。

それでは、マリ姐の撮影した写真をお楽しみ下さい。

ロープはさすがに新しいものかな?

砲門を開けたら獅子が!

元DOLプレイヤーは船部品に目がいく

甲板に立ってみたい!

4階は人でいっぱい

船首にも獅子!

中の人、写真撮り過ぎだから!
マリ姐ママ呆れてたニャ!

 

ヴァーサ号が造船された背景

当時のスウェーデンはバルト海沿岸都市の利権をめぐってロシア、ポーランド、デンマークと争っていました。当時の国王はグフタフ2世アドルフ。17世紀前半にはバルト海のほとんどがスウェーデンの支配下にありました。

グスタフ2世アドルフとは

スウェーデン最盛期の国王。北方の獅子、グスタフ・アドルフとも呼ばれる。娘はのちのスウェーデン女王クリスティーナ。

そのような状況下で、ポーランド・リトアニア共和国の王であるジグスムント3世はスウェーデンの王位を主張していました。彼はグスタフ2世の従兄にあたります。

ジグスムント3世ってグスタフ2世の2代前のスウェーデン王よね?
なんで退位したのニャ?

ジグスムント3世とは

ポーランド・リトアニア共和国の国王。グスタフ2世の2代前のスウェーデン国王。本家がプロテスタントのスウェーデンにあるにも関わらず、政治的思惑で幼い頃にポーランド・リトアニア共和国に預けられ、熱心なカトリック信者となる。ポーランド国内ではプロテスタントを禁じた。

ジグスムント3世はカトリックですが、スウェーデンはルター派プロテスタントを主とする国でしたので、関係性はよくありません。しかもポーランド国内にいる為、実際の政治は彼の叔父で摂政のカール9世(グスタフ2世の父)が行っていました。カール率いる反乱軍と戦い、負けたジグスムントは1599年に退位させられます。

またカトリック VS プロテスタントかい!(◎_◎;)
いつものパターンニャ(^▽^;)

ジグスムントをポーランドに送った思惑とは何でしょうか。これも宗教を利用した例なのかなぁと思ったりします。どこの国も一緒ですねぇ。。

戦争が続く中、ポーランド・リトアニア軍にはコニェツポルスキという優秀な軍師(貴族であり政治家)がおり、スウェーデン軍は頻繁にボコボコにされます。名将と言われたグスタフ2世も彼の前ではズタボロだったようです。

1627年、小規模のポーランド海軍にスウェーデンは破れ、2隻の船を失います。その為、ヴァーサ号は海軍の旗艦として必要だったのです。

そんなに優秀な司令官だったのに、グスタフ2世の方が有名よね。
権力があって、政治的影響力が強いからニャ。戦闘では負けたけど、外交ではスウェーデンが勝利したのニャ

ヴァーサ号が沈没した翌年にフランスの調停もあって、二国間に休戦条約が結ばれます。内容はスウェーデンに有利なものだったのもあり、グスタフ2世の名声は知られることとなります。

 

余談:ゲームの中のスウェーデン

私がプレイしていた大航海時代オンラインでもグスタフ・アドルフは登場しました。スウェーデンが実装されてすぐに引退してしまったので、ほとんど覚えてないんですけど、ヴァーサ号もでてきていたんです。

戦闘用の船だったから、非戦の私は所有していませんでした。

キャラクターはグフタフ2世アドルフと娘のクリスティーナが登場しました。

イケメンだったわ!
リアルな肖像画と比べちゃだめニャ!w

 

どうして沈没したのか。

ゲームをプレイしていた時、私は貿易と冒険ばかりやっていたので、正直軍艦は全くわかりません。

交易品をたくさん積める商船か、速さを重視した冒険用の船しか乗ってなかったわ。

でも、ヴァーサ号を見た時、今まで見てきた帆船と比べてバランスが悪いように感じました。マスト高過ぎて、風を受けた時に下が支えられるの?とか、砲門の位置が下過ぎで海水が入り込みそう、とか。

実際、軽い風で船が傾き、砲門から水が入り込んでそのまま沈んだそうです。

重さは1300トン以上あり、450人の船員と兵士、大量の兵器が詰め込まれていました。

いくら大きな船とはいえ、詰め込み過ぎじゃないかニャ

そもそも造船自体に問題がありました。

図面なし。船の安定性を計算する道具なし。スウェーデンの職人とオランダの職人が入り混じる現場で、言語も測量単位も違っていました。

それを聞いただけで、まともな船が造れるのかって感じだわ。
勘を頼りに造船してたのかニャ(^▽^;)

最初は砲甲板が1層の予定だったのに、2層に増やされるというムチャもありました。そんな中作られたヴァーサ号はかなりの重量になり、耐水性、復原性の低さが心配されていたのです。

「復原性」とは

風や波によってある程度傾いても、元の態勢に戻ろうとするチカラのこと。

 

模型と色部分を比較しよう!

4階にはヴァーサ号の1/10模型があり、当時のカラーで再現されています。特にカラフルな船尾の部分を比較してみたいと思います。

元はこんなにきれいな色だったのね。

船尾の装飾がゴージャスでカラフルですごいのニャ

彫刻はきれいな状態で残っていました。国の威信をかけて造られたのがわかりますね。

他にも、沈没によって亡くなった人達の復元や、子供向けのゲームなどがありました。じっくり見たいなら、90分~2時間は欲しい博物館です。

 

船グッズが充実。ショップを見逃さないで!

ミュージアムショップ!

そして、私がかなり楽しみにしていたミュージアムショップ。船グッズがいっぱいで全部買い占めたいくらいでした。

ヴァーサ号グッズでいっぱい

中の人、大興奮ね。
ここでだいぶ時間使っていたニャ

お手頃なボトルシップ

厳選に厳選を重ねて、絞り込みました。手のひらサイズのボトルシップ39SEK(500円弱)、日本語のカタログ50SEK(600円)、母のコレクション指ぬき39SEK(600円)、帆船の描かれたストックホルムのポスター225SEK(2700円)、これに税金25%がのっかって60.6SEK(727SEK)が追加されました。

税金高い!!
カタログより高いニャ

ポスターはちょうど手ぬぐいサイズなので、手ぬぐい用の額を買おうかなと思ってます。自分への一番のお土産です♪そのうち大航海時代グッズ紹介でもしようかな。

カタログは日本語訳が変で、読みにくいし、主語がおかしなせいで間違った解釈をする文章になってました。ジグムント3世が1604年に処刑されたって書いてあるんだけど、実際は1632年まで生きてますし。まさかGoogle翻訳使ってないよね?wきちんとしたカタログがだされないあたり、まだ日本人観光客は少ないんだと思います。

 

ヴァーサ号博物館へのアクセス

ヴァーサ号博物館はトラム7番、バス67・69番のNordiska Museet/Vasamuseet駅から徒歩5分です。

写真だけでは伝わらない、実物の迫力を感じてほしいので、スウェーデンに行った際は是非、行ってみて下さい!

以上、マリ姐でした!

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