さて、発作的にオランダの投稿が続いていましたが、北欧レポもあったのでした。まだ1日めも終わってない(;^ω^)
今回は無料で入れるストックホルムの博物館について!
スウェーデン海洋博物館(Sjöhistoriska)
どうしてもここは早めに行っておきたくて、初日に行ってきました。
スウェーデンにおける商船輸送、造船、海軍防衛に関する資料の収集、保存、展示がされている博物館です。横長の変わった形の建物ですね。
今までお目にかかることがなかった、スウェーデン東インド会社の展示があるなら行くしかない!ストックホルムパス有効期限内に行っているので、もったいないのですが、最終日にまわして結果行けないと泣くからいいのです!
中心地からはバスに乗れば遠くはありません。降りる場所が若干わかりにくいので、注意深く車内の電光掲示板か外の景色を見ていた方がいいかな。私達はうっかり乗り過ごしてしまいました。。逆に、中心地に戻る時のバス停はベンチと雨よけがあってわかりやすいです。
このあたりは、警察博物館、科学技術博物館、民族学博物館があり、緑に囲まれた地域。中心地からそんなに離れていないのに、静かでいいですね♪
道を挟んだ奥に見えるのはカクネス塔。スカンジナビア半島で一番高いテレビ塔で、日本でいうスカイツリーです。
スウェーデン東インド会社とは?
スウェーデン東インド会社(Swenska Ost-Indiska Compagniet/SOIC、Swedish East India Company)はオランダやイギリスの影響を受けて1731年に設立されました(前身であるオステンド会社はもっと前から)。
戦争で貧困になっていたスウェーデンは貿易で立て直そうと考えたのです。
本社はスウェーデン第二の都市であるイェーテボリ。イギリス資本で成り立った会社であり、イギリスの下層階級に茶が広まったのはこの会社の影響があったからと言われています。
輸入品は特にドイツ、イギリス、ポルトガル、そしてアメリカに輸出していました。
東インドと名がついているものの、貿易国は中国(広東)のみ。すでに東南アジアにはオランダ、イギリス、フランスが進出しており、スウェーデンが到達したのはだいぶ後でした。各国はスウェーデンを妨害する為なら何でもしたのです。
100-150隻の船を作り、2万人も雇用していたオランダ東インド会社(VOC)と比べると、あまりも小規模であり、知られてないのも納得です。しかし、イギリス東インド会社(EIC)にはそれなりにライバル視されていたようです。
1730年から1806年の間に130隻以上が中国へ向けて出発しました。イギリスが茶の輸入を増やし、税率を下げると茶の価値は急降下。スウェーデン東インド会社の経営は成り立たなくなり、1813年にはついに倒産します。
カディスは重要な港
それでは、スウェーデン東インド会社の展示を見ていきましょう!
手紙を封する時に蠟の上からおさえるやつですかね?カッコいい!でもミュージアムショップにSOICグッズは残念ながら見当たりませんでした。メジャーではないですからねぇ(;´・ω・)
また、スウェーデンからの品物は中国では興味を持たれなかったようです。木材、鉄、鋼などをカディス(スペイン南部)に運び、そこでの取引でスペイン銀貨を得て、広東まで運びました。広東では貨幣としてではなく、銀として扱ったのでしょう。銀貨だけを持って行ったのは取引をシンプルにする為でもあったようです。
広東での取引
スウェーデン東インド会社がアジアで取引していたのは広東だけということで、日本の展示はなし。日本で知られていない理由はここにもあるのかと思います。
広東は中国において外国に開かれた唯一の港でした。
取引は中国の厳重な管理体制の下に行われており、城壁の外にある外国人地区に来ることができるのもわずか人数のみ。イェーテボリと広東の往復には1年半かかったといいます。
記録によると何隻かは行方不明になっているようです。
スウェーデン東インド会社が輸入したものはほとんどが茶です。
当初は船の積載スペースの50%だった茶が、莫大な利益をもたらすことから、80-90%に達します。2番目に多い輸入品は陶磁器でした。
上の表は広東からの茶の輸出量です。およそ100年の間に茶の輸入量が23倍になっています。スウェーデンにおける茶の輸入量が徐々に増えていき、他国と比べても圧倒的に多いのがわかります。
輸入された茶はアムステルダム、ロッテルダム、ハンブルグ、ミデルブルグ、オステンド、フランスなどに再輸出されました。
イギリス東インド会社は当初高級茶しか輸入しておらず、イギリス全体で消費される茶の半分はスウェーデンから非合法に輸入、つまり密輸入されたものだったのです。
帆船模型のコレクションが素晴らしい!
その他の部屋の展示も充実していて、帆船模型だけのコレクション部屋があったのには感動しました。
オランダの海洋博物館もすごかったけど、スウェーデンも負けてない!
また、世界の船の変遷が模型を使って説明されていたり、帆船絵画だけの部屋もありました。
非常に見応えのある博物館で、所要時間は2時間くらいほしいところ。
入らなかったですが、カフェも併設されているようでした。
アクセス
スウェーデン国立海事博物館はバス停Sjöhistoriska museet下車で徒歩1分。バス停Centralenから69番に乗って約15分です。
ヴァ―サ号博物館から向かう場合は、橋を渡ってバス停Djurgårdsbronから乗ってください。
施設全体がきれいですし、物価の高い北欧で無料ですし、ここはヴァ―サ号博物館とセットで行くのがオススメです!
以上、マリ姐でした!