フィレンツェはまだまだ紹介するところがある!なかなかヴェネチアにたどり着きませんねーw
隠れ歴史スポット、ダンテの家
ピッティ宮殿で叔母と別れて自由行動。フィレンツェカードで行けるマニアックな場所を地図で探したところ・・・ありました。ダンテの家が!
ダンテ・アリギエーリ通り(Via Dante Alighieri)沿いに立つゴシック様式の建物。ダンテの家といっても、実際の生家ではなく、生家のあったであろう場所に100年ほど前に建てられたもの。ただ、この通りでダンテが生まれたことはほぼ間違いないようです。フィレンツェの歴史とダンテの生活、亡命に関する展示などがあります。
フィレンツェカード利用可能。
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ダンテと時代背景
※上の絵画は、サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂(通称ドゥオーモ)の壁に描かれているダンテです。
ダンテ・アリギエーリはイタリア文学最大の詩人であり、ルネサンスの先駆者と呼ばれる人物です。といっても、私は世界史で「ダンテ=神曲」という公式で覚えただけなので、その内容を知らなければ、ダンテがどんな人物かも詳細は知りませんでした。今回、ここを訪ねるにあたり調べたのでシェアしたいと思います。これから行く方の参考になればうれしいです!
恋焦がれた人の死から生まれた『新生』
ダンテが生まれたのはまだメディチ家もいなかった13世紀のフィレンツェ。ダンテの幼い頃の詳細は不明ですが、哲学や古典文法などを学んでいたようです。彼が9歳の頃、同じ歳のベアトリーチェという女の子に出会い、衝撃を受けます。9年後に再会した時、今度は会釈しただけで彼女に恋焦がれたそうです。
その後、2人の間にはたいした交流もなく、ダンテは許嫁と結婚。ベアトリーチェも別の人と結婚しますが、その後24歳の若さで病死します。彼女の死を知ったダンテは狂乱状態になり、生涯、彼女を詩の中で永遠の存在として賛美していくことを誓うのです。
そして生前の彼女についてと、彼女の死を悲しむ内容をまとめた詩文集が、「新生」。彼女は「神曲」でもダンテを助ける永遠の淑女として登場します。
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放浪時代に生まれた『神曲』
当時の北イタリアは、各都市がグエルフィ派(ローマ教皇庁、教皇派)とギベリーニ派(神聖ローマ帝国、皇帝派)と勢力が分かれていました。フィレンツェはグエルフィ派で、ダンテも党員として戦闘に参加しています。両派は激しい争いを繰り広げて、グエルフィ派が勝利したものの、今度は内部分裂で黒派と白派で対立してしまいます。
当初フィレンツェの実権を握ったのはダンテが所属していた白派でしたが、ダンテがフィレンツェを離れている時に黒派が政変を起こして実験を握るようになり、ダンテはフィレンツェを永久追放されてしまいます。
さらに同じ白派の仲間とも考え方の違いから袂を分かち、ダンテは各都市を放浪します。自分を追放した黒党とフィレンツェへの怒り、ベアトリーチェへの賛美、政治における自分の理想をもとに、執筆された長文叙事詩が、「神曲」です。
ダンテはフィレンツェに戻ることはなく、「神曲」の完成直後に病死。現在はラヴェンナに眠っています。
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いざ、ダンテの家へ
ダンテの家の裏手にはサンタ・マルゲリータ・デイ・チェルキ教会(Chiesa di Santa Margherita deiCerchi)があります。ここはダンテがベアトリーチェと出会い、許嫁と結婚式をあげた場所なのです。ベアトリーチェも許嫁も現在はそこに眠っているそうですよ。
私は内容を把握していないのですが、どうやら『インフェルノ』にダンテの話がでてくるようなので、もしかしたらその影響でここを訪れている人が多いのかもしれません。西洋人の観光客が多かったです。
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ダンテと神曲のことを知らなければ、何がなんだかさっぱりわからない展示だと思います。
ダンテの家は、ドォーモとヴェッキオ宮殿の間の細い路地にあります。ダンテの「神曲」を読む日本人はあまりいないかもしれませんが、『インフェルノ』を読んだ人、見た人は楽しめるかもしれません。
以上、マリ姐でした!
ヴェッキオ宮殿&サン・ジョバンニ洗礼堂 ダンテ「インフェルノ(地獄篇)」ゆかりの地を巡る<貸切/日本語ガイド>by H.I.S